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なぜ回らない、つくば市の風力発電機問題 2006/03
(もしかしたら、悲しいことだけど「環境詐欺」「補助金詐欺」なのかも知れない)
 ★汚い言い方かも知れませんがご容赦ください「こんな風車、早く鉄くずになってしまえ!」

写真は、つくば市に納入された風力発電機メーカーの姉妹機(出力5kW)
設置場所:北海道石狩市 石狩中学校
 (カリブの海賊 撮影)

環境省「環境と経済の好循環モデル事業」
に採択され、全国的にも注目を浴びていたつくば市の小型風力発電機が殆ど動いていないという報道が相次いでいます。
実は、日本の風力発電市場の中で最もスキャンダラスな事件が起きてしまったようです。
これまでも、北海道恵山町、江差町の第3セクターの風力発電会社で酷い出来事がありましたが、それを遥かに凌駕する深刻な問題です。
この問題は風力発電ファンのカリブの海賊としては、非常に許せない問題でもあり、HPにてこの問題を取り上げていこうと思います。
-----<続報!!>-----------------
■2008.9.30 この事件の続きは、こちら(ブログへ)
■2006.06.15所感「早く鉄くずになってしまえ!」 詳細はこちら
■2006.5.2 追記 
★逃げるな!!★この事件の当事者のひとりである、つくば市の助役が4/30でつくば市を退職していたことがわかりました。 詳細はこちら
■2006.3.26 追記 つくば市のまほろば事業の計画をこれまでの報道記事から、事業性を算定してみました。ちょっと信じられない結果です。何か計算が間違っているのでは?ご意見を聞かせてください 試算結果はこちら
■2006.3.22 参議院環境委員会でつくば市の回らない風車について小池環境大臣に質問がでたそうです。環境省側は、「市に対応を求めている」と回答。茨城新聞より
■2006.3.16 追記 ★会計検査院 つくば市を調査! 詳細はこちら
■006.3.13追記  つくば市の事業は、環境省(というか納税者である国民)に対する補助金詐欺の可能性がでてました。詳細は、こちら
■2006.3.08 
つくばの風力発電機:市が損賠提訴へ(毎日新聞) 詳細はこちら


<この問題の概要> ★ちょっと長いです
・つくば市は、市内の小中学校に小型風力発電所を建設(計画では10kW機75基、現在、23基)し、余剰電力を東京電力に販売。そこで得た収入を、地域通貨(ネコチップ)を発行し、地域に還流する計画。
この事業は、環境省の「環境と経済の好循環モデル事業(平成16年度分)」で多数の応募の中から選ばれた事業であり、環境省からは、事業費の2/3が支給される。つくば市の場合、事業費が累計で7.5億円の事業であり、この場合補助金は、5億円が支給されます。(※国民の税金です
詳細は、つくば市の関連ページhttp://www.tsukumaho.net/を参考にしてください。

しかし、実際に設置し運転が稼動したが、殆ど発電していない事が市民団体の調査で判明しました。新聞記事を見ますと、計画の1/600しか発電していないとの事です。
そしてわかってきた事。つくば市は早稲田大学(橋詰研究室)に風力発電事業の調査・コンサルを依頼(1750万円)、その中では、直径15mの架空の風力発電機での検討が成されていました。しかし、実際に設置された風力発電機の直径は、5.3mの機種だったそうです。(なぜ違うものになったのか?事実関係は明らかではありませんが、風力発電量は受風面積に左右されますので、直径がこれだけ違うと発電量は桁違いに違うことになります)
風力発電機の機種選定では、一般に自治体の場合、風車選定委員会というものが開催されますが、つくば市では委員会は設立したものの、実際には開催されていなかったようです。
そして、採用された風力発電機のメーカー(イーアンドイー株式会社)と早稲田大学 橋詰研究室とは調べると関係がある事も判明。関係を示す一例はこちら こちら2 そして決定的なのはこれかもしれません(早稲田大学の広告特集として紹介されています)
 決定的な記事も既に削除されています。
 いちおう証拠保全はこちら


この問題を受けて、つくば市はこの事業の凍結を決定しました。
そして(今更ながらではありますが)数箇所で風況調査を開始しました。
つくば市と早稲田大学の溝は深刻なようで、つくば市は早稲田大学への訴訟も検討をしているそうです。

<問題点の整理と疑問>
・つくば市は内陸地であり、風は非常に弱いレベルである。基本的に事業用風力発電には適しない場所と考えます。そのような場所に風力発電機を建てたのは何故か?
・風力発電機が、市民団体調べでは当初計画の1/600程度しか発電していない。(つまり全く発電していない)これは何故か?
※大型風力発電では有り得ない。しかも、今回は既に同じ風車が23基設置されており、その製品固有の問題では無く、機種選定あるいは設計の根本的な問題と考えられる
・一方、稼動すると騒音が大きく、近隣住民からの苦情がでていると聞きますが、事前に音の影響調査をしたのでしょうか?(大型風力発電では事前に近隣住民に説明しています。)
・モニュメントとしての風力発電では無く「事業用風力発電」(地域通貨の発行財源)として設置したにも関わらず、事前の風況調査(地上高 10m程度では1箇所 数十万円で測定できる)を行わなかったのは何故か
・つくば市のおおよその風況については、気象庁のホームページで無料で、容易に調べることができる。つくば気象台の過去十年以上の風速データが入手できる。リンク・・・気象庁気象観測電子閲覧室。調べてみると、1990〜2005年の平均風速は2.4〜2.6m/sである。それを調べなかったようであるが何故か?
また、風力発電関係者なら誰でも知っているNEDO局所風況マップを確認したのか?こちらも無料である。

NEDO局所風況マップデータ元に作成
・つくば市は早稲田大学にコンサルティングを依頼し、その結果、早稲田大学と深い関わりのあるベンチャー企業(イーアンドイー株式会社)を選んだのは何故か?
・設置された10kW機は設置事例がHPで確認する限り1例しかなく、そのような中で実績が少ない風力発電機を選んだのはなぜか?
 HPによる実績では、稼動約1年である
・風力発電機種選定会議が一度も開かれていないとの事であるが、なぜ開かなかったのか。また、委員の一人に今回採用した風力発電機メーカーに関連するある大学助教授が加わっているのは何故か?
参照・・・地元の新聞である常陽新聞の2005年12月16日記事
(通常、機種選定会議では、中立的な立場の有識者を招集するのが一般的です)
 ネット検索でも小型風力発電機メーカーは多数ある事が分かるが、それらの風力発電機ではなく、あえてこのメーカーを採択した理由は何故か?
・風力発電事業(23基)を5つの事業に分けて入札にしたのは何故か?
・仮に地域活性のため、より多くの地元企業の参加という意図があったのかも知れないが、入札価格が5物件共に落札率が97%以上と非常に効率であるのは何故か?
⇒参照 つくば市のまほろば事業での風力発電機入札結果はこちら
 2008.9.30追記>残念ながらこの入札結果は、事件問題化直後に削除されています。
 市の入札結果ですので、公的文書が破棄されていないかぎり、この疑惑は明らかにすることが出来るでしょう。

 2008.10.2追記>現在、つくば市の入札結果が、別の場所で掲載されていることを知りました。
http://www1.city.tsukuba.ibaraki.jp/ebid/result.file/c2004-1.pdf

 PDFファイルで探しにくいのでこちらにも、コピー抜粋をアップします
nyusatsu.html へのリンク

やっぱり落札率97%以上です。

★そして、私の最大の疑問はこれです★
「なぜ、太陽光発電」にしなかったのか?」
新聞記事などによると、風力発電機の発電量を示す設備利用率は10%強との事ですが、通常の大型風力発電では設備利用率が20%以上は最低必要とされます。
一方、今回の小型風力発電機は、kW当たりの設備コストは100万円のようです(1台1000万円)。
電力販売価格は、小型風力は優遇されているので、大型の2倍としても(東京電力の小口買取価格表)、採算性を取るには、設備利用率の低さも考慮すると、最低kW20〜25万円以内で抑える必要があると思います。しかし、今回の案件は、補助率2/3を貰っても、設備コストは33万円。自治体で事業性度外視というのであれば、ぎりぎりというレベルです。
※逆を返せば、ぎりぎりまで小型風力発電機の設置コストを高く設定したのではと、見ることも出来ますね
一方、太陽光発電機は、設備利用率11%くらい、つくば市は気象条件がいいと思いますので、そのくらいはいくでしょう。太陽光発電も決して安くないですが、がんばれば今回の小型風力発電機よりは安く出来ると思います。(多分kW70万円程度にはなるのでは)。ほぼ確実に、太陽光の方がメリットがあります。
もし、私がコンサルタントだとして、つくば市に相談を受けたのであれば、私は風力発電ファンではありますが、間違いなくつくば市には太陽光発電での事業を提案します。

■現在この問題は、つくば市・早稲田大学での責任のなすりあい的な様相を示しています。
 私の見解としては、一番の責任は、つくば市にあると思いますが、ほぼ同じレベルで、つくば市・早稲田大学・そして環境省に責任があると考えます。詳細は先日に書いた風力発電ブログに書きました⇒ブログの記事
責任の理由を一言で言えば
○つくば市・・・風力発電への不勉強
○早稲田大学・・・技術屋・科学者としての良心の欠如
○環境省・・・税金の大切さの認識不足


なぜ、私がここまでこの事件に固執しているか、それはこの事業が、子供たちを巻き込んだ事業であるからです。自然エネルギーで地域通貨を発行して、地域のために役立てる。そして、見ていて楽しい風力発電が、自分の校舎に設置される・・・みんなとっても楽しみにしていたのではないかと思います。
この事件は、子供たちにどう釈明すればいいのか?子供たちが描いた夢はどうなるのか?
これを考えると、とてもやるせない事件です。


今後、この事件の推移を見ていきたいと思います
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<追記>
2006.3.13 つくば市の環境省に対する補助金詐欺の可能性について
3月10日の地元紙「常陽新聞」の記事において、つくば市議会の答弁の中で、つくば市の教育長が次のような発言をしたそうです「教材では、回ろうが回るまいが、なぜ、どうしてということが科学教育、環境教育、エネルギー教育でひじょうに大事。そういう意味ではひじょうに価値ある投資だった」
「科学の世界は失敗の連続。そういう積み重ねで成り立ってきている。あと百年、二百年たってしまえば化石エネルギーはまったくなくなってしまう。子供たちはいまどんなエネルギーが必要なのかと考えたときに、必ず風車とか太陽エネルギーとかを言う。それをつくばではいち早く子供たちに動機付け、モチベーションを高めた。そういうことを考えれば、税金の無駄遣いではなく価値ある投資だった
つまり、この発言を解釈すると、最初から回らなくても、どうでも良い事業だったと認めたことになります。
しかし、ハア、そうですか。といえる内容ではありません。

まず第1点は、税金の無駄遣いかどうかの判断ですが、つくば市民の市税について無駄遣いかどうか判断するのはつくば市民に任せましょう。しかし、今回の案件は国(環境省)から2/3の補助金、既に支払い分で数億円の単位での補助金(税金)が利用されています。つまり、教育長及びつくば市は、国及び国民に対しても、これは税金の無駄遣いでは無いと立証する義務があります。
そして、もう一点。環境省に対する詐欺行為の可能性です。
環境省の環境と経済の好循環まちづくりモデル事業への応募の際には、つくば市は、小型風力発電設備を小中学校に導入し、その売電収入を原資に地域通貨草のnekoチップを発行する。という趣旨の内容で申請をしています。
また、つくば市のまほろば事業のホームページ上では、『市内全小中学校での年間電力使用量は,約600万kWh/年、風力発電機75基での年間発電量は、約60万kWh/年、今回の風力発電機の設置により、学校で使用する電気の約10分の1をまかなうことができます。』と記載されています。(総容量750kWなので、設備利用率は約9%)
この記載からも、つくば市が今頃になって、「回ろうが回るまいが・・・」というのは、明らかにおかしいです。ホームページの記載はウソだったのでしょうか。
そのウソの内容で、環境省に対し、補助金申請を行ったのでしょうか。
もし、申請の際に直径15mの風車の場合でのパワーカーブを用いたもので提出していたのであれば、詐欺と呼ばれてもおかしくないと思います。

冗談抜きに、子供たちを指導する立場の長であるはずの教育長が、そんな発言されるのは理解に苦しみます。
そして、教育長は、子供たちを侮辱しています。あるいは子供たちへの詐欺行為です。今の小中学生は、もっと勉強しています。私のHPにも多くの小中学生からの質問や閲覧があります。もう既に、回らない風車がある理由は気づいています。今回の回らない風車で子供たちが学んだのは、大人たちは嘘つきだ。という事だけでは無いでしょうか。
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<追記2>
風車問題 検査院つくば市を検査 2006/03/16 茨城新聞
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/daily03.htm
この問題について(噂に聞く)会計検査院が、環境省の補助金を適正に執行しているか調べるために現地調査に入りました。書類や関係者ヒアリング、実際の風力発電機の稼動状況を確認した。

いよいよ、司法のメスがここに入るようです。補助金が適正に執行されている状態とは、事業計画どおりの稼動がなされ、小中学校の消費電力の1割を満たす量で、地域通貨草のNECOチップが流通している状態、と考えます。会計検査院のきちんとした対応を期待しています。
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<追記3>
つくばの風力発電機:市が損賠提訴へ 早大に事業費3億円求め /茨城 2006/03/18 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060318-00000112-mailo-l08
【要旨】
つくば市が早稲田大学に対し、既に設置した風力発電機23基の事業費約3億円の支払いを求める損害賠償請求を起こすことを明らかにした。
早稲田大学と風力計画の協議を行い、04年8月24に9629ワット時の発電量が見込めるとの風況調査結果を受けた。
(カリブ注記:1台当たり9629キロワットhの間違いでは無いかと思います。ただ、もしかしたら実際の風力発電機は9.629kWhしか発電していないのでしょうか?)
その後、早稲田大学と業務委託契約を結び、早大は調査報告書を市に提出。
そして、まず第1段として23基、約3億円の投資を行い、風力発電機が設置されたもの。
しかし、実際には風力発電機は殆ど発電をせず、調査報告書に基づく発電量は実在しない直径15mの風車で設計されていた。


【コメント】
記事中に風況調査結果とあるのですが、本当に実際に測定されたのでしょうか。このデータは是非とも公開し、風力発電の専門家の方に評価してほしいと思います。
また、早稲田大学が示した架空の直径15mの風車ですが、記事中の発電量を1台9628kWh/年と仮定しますと、設備利用率約11%となります。風力発電機の設備単価がkW100万円(今回のケース)。補助金2/3で実質33万円と仮定しても、売電価格がkW20円としてもかなり事業性が厳しいと思います。なぜ、早稲田大学は、小型風力発電は事業的に厳しいとアドバイスしなかったのでしょうか。
一方、つくば市は、どうして事業報告書の風車と実際の風車が違うことに気づかなかったのでしょうか。構想から計画の段階で、様々な職員が内容を見るはずです。にわかに信じがたいです。
風車を選定する委員会も、全くノーチェックだったのでしょうか。実態の無かった委員会らしいですが、でも誰か一人でも回覧される書類を見て気づかなかったのでしょうか。委員会のメンバーに名を連ねた以上、この問題の責任は、選定委員にもあると思います。

私としては、つくば市が早稲田大学を提訴する気持ちは分からなくもないですが、それ以前に国の税金を大量に使っていながら、こんなにいい加減な事業計画を推進したつくば市に対して、国民として提訴したい気持ちです。
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<追記4> ★逃げるな!!★
【読売新聞】小野寺・つくば市助役が退職=茨城 
(要旨)つくば市の小野寺助役が退職していたことが1日明らかに。「一身上の都合」が理由。
つくば市では、市が(環境省の2/3の補助を受けて)市立小中学校に設置した小型風力発電機が十分稼動していないという問題が起きており、市が風車を設計した早稲田大学を、また市民グループが市長や小野寺助役らを相手に、それぞれ損害賠償請求訴訟を起こす訴訟合戦となっている。


【コメント】
小野寺助役は、小型風力発電設置事業(環境省まほろば事業/風力発電の売電を原資とした地域通貨ねこちっぷ)の中心的役割を果たしていると聞いています。つくば市が早稲田大学への抗議の際にも、小野寺助役が早稲田大学に出向いており(ソース;毎日新聞)、このことからも、市の重鎮としてその責務を果たすには、この小型風力の問題を解決してから、辞任なり、なんなりするのが筋でしょう。少なくとも、きちんとした釈明をしておくべきです。
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<追記5>早く鉄くずになってしまえ!

【読売新聞】環境ルネッサンス 現代風車物語3 「回らない」訴訟や撤去 2006.06.15
(要旨)つくば市の回らない風力発電機の問題について取りまとめ。発電が計画の1%以下、つくば市は早稲田大学を信じたと、早稲田大学は市は風況のよくないの計画にずさん」と互いに責め合う。

【コメント】マイ掲示板からの転載
先ほど読売新聞のつくば市に関する記事を読みました。内容そのものより、ヘリで撮影された回らない風車の写真。校庭に子供達が写っている。大人たちの欺瞞、欲望の象徴とも言える風車。風車そのものに仮に罪が無いとしても、そこにある風車は、永遠に子供達を傷つけていく。風車が止まるたび、「大人たちは嘘つき」だ。そう伝えているのかも知れない。こんな風車、永久にどこかに消え去ればいい。補助金の関係で市へは移設できない?今風車向けの鋼材が高騰している。こんな風車、はやく鉄くずになってしまえ

(補足)つくば市も早稲田大学も私は嘘つきだと思う。理由ははっきりしている。つくば市は平成12年につくば市内で風況調査をしている。そこから何も学ばなかったとは言わせない。早稲田大学も、つくば市に風が無いことは、風力発電のプロとして承知しているはずだ。それなのになんらつくば市に警鐘を鳴らさなかったのは、自分達の風車(納入された風車は早稲田大学が深く関与するメーカー)を売りたかったからじゃないのか?風力発電ファンとして、両者を許すことはできない