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マイカル小樽は成功するか(99/3)  ※更新99/9 更新2 00/12 更新3 01/09
※マイカルが経営破たん、マイカル小樽を運営する小樽ベイシティも破綻(01/09)
あてにならない素人の予測です(^^;
<マイカル小樽とは>
マイカルグループでは全国的に大規模なショッピングモールを作っており、マイカル本牧、マイカル桑名などがあります。マイカル小樽はその中でも最大規模の複合商業施設です。
小樽築港駅貨物ヤード跡地の再開発として建設。99年3月にオープン。ビブレ、サティなどのデパートのほか、ヒルトンホテル、テーマパーク(小樽よしもと、石原プロワールド)、映画やプールなどの施設、観光客向けみやげ物店施設などがある。

3月11日、巨大な複合型商業施設「マイカル小樽」が登場しました。オープニングは10万人を越す来場者で大盛況だったようです。今までにない施設であり、非常に関係者の期待も大きいようですし、営業的にも成功するだろうと思います。
しかし、見ていていくつか気になった点がありました。
商業施設関係については全然詳しくないので、消費者心理的な分析をしてみたいと思います。
(こんど落ちついたら実際にみてこようと思います) ※99年9月にみてきました

懸念事項としては
○駐車場が有料であること、料金が時間制であること
 (2000円以上購入で3時間無料ですが)
 これではのんびりすることが出来ません。このような商業施設ではゆったり過ごせる空間であることが重要だと思います。しかし、駐車場が時間制で料金徴収されると、時間に追われてしまって、ゆっくりお店とか見れないです。目的の商品だけを買って帰るというと、わざわざこんな大きく、中も多彩な施設を導入しているのがもったいない。
マイカルのような商業施設の場合、
基本は、「1日なんとなくのんびり過ごすことができる」が必要ではないかと思います。
積極的に、ではなく、「とりあえず」行ってみようという形ではないかと思います。その中でのんびりしている間に、「ああ、こんな商品があったんだ」とか「もう夕方か、帰ったら遅くなるから、ここで飯食って行こう」そんな消費が期待できるのだと思います。
(以前、三重県にあるマイカル桑名には何度か行ったことがあります。そこは駐車場が無料です。ですので、雨の日とか、今日は暇・・・なんて時に、「あそこなら、1日のんびり過ごせるなあ」と感じて足を運んだのでした。)

○集客対象を観光客と地元客の2つを同時に追っている
マイカルのような商業施設はどちらかというと、地元客が対象になると思います。しかし、マイカル小樽は、観光客もターゲットとしているようですね。どうも観光客をターゲットとしていることが解せないです。まあ、札幌&小樽観光というのが定番ですから、その時の中継ポイントという点ではいいのかも知れません。良く観光バスで旅行すると、必ず、どこかの大きなドライブウェイに止まって、お買い物タイムが用意されますしね。その位置付けなのかなあ。
ただ、同一施設内、かつ施設左右が地元対象施設(デパート等)、中央部が観光施設(お土産・北海道系の食事)というレイアウトはどうなんでしょう。変に間延びしてしまっている気もします。地元の人とかが利用する場合、デパートの「サティ」と「ビブレ」が離れすぎている印象があります。中間に楽しめるものが多いとは思いますが、ちょっと歩行距離が長い気がします。(ただしこれは自分で歩いてみないと、実際のことろは分かりませんが)

○価格設定はどうか?
 観光客対象となると価格は高めになると思います。
一例として、渡哲也さん企画のソフトクリーム店があるようですが、1つ380円とのこと。これは高い印象があります。北海道はおいしいソフトクリーム、各地にたくさんあります。それも安くておいしいところが多い。1つ380円ではちょっと食べる気が起きないですね
(実際に食べた人に聞いた話では味は普通とのことでした)
 他のお店の価格設定も気になるところです
 また、観光客対象の場合、土産店の価格がどうか?
以前、転勤間もない頃、小樽でカニを買いましたが、結構高い感じがしました。小樽の市場とか歩くとかなりしつこく勧められるし、あまりいい印象はないんですよね。同じような問題がなければいいのですが。
 ※他のソフトクリームは250円のところが多かったです

○テーマパークのリピーターは確保できるか
テーマパークとしては、「石原プロワールド西部警察」「小樽よしもと」等があるそうです。
石原プロワールドでは、西部警察のロケ現場を再現したとありますが、屋内であることが気になります。また、内部のリニューアルが期待しにくい。この点ではリピーターを呼びこむことが難しいような気がします。西部警察のようなアクション系であれば屋外スペースで、実際のアクションを見せる(例えばユニバーサルフロリダなどでは、モーターボートでの銃撃アクションや西部劇のショーなどがあります)アトラクションがあるといいなあと思います。
小樽よしもとについては、内容が毎回変るでしょうから、リピーターの確保はしやすいと思います。こちらは、よしもと喜劇が北海道民に受け入れられたら成功するような気がします。
※現在、石原プロワールドは撤退しています(2001/12)

○交通渋滞の懸念
 小樽-札幌の間の道は事実上国道5号線と高速道路しかなく、国道5号線は途中1車線になるます。このため、土日の交通渋滞が懸念されます。
 たまたま、マイカル小樽オープン直後の土曜日に国道5号線を通りました(朝里川スキー場の帰り道なんです)が、小樽から札幌に向かう結構渋滞していました。スキー帰りに何度か通りますが、普段はそんなに混んでませんのでマイカルの影響かなと思います。
仮に交通渋滞が激しくなるようであれば、これは集客のマイナス要因となるような気がします。
等の問題が考えられます。
近日、実際に見てこようと思います。
やっぱり実物をみないと何ともいえない部分がありますから


実際に見てきました(99/9)
たしかにすごくでかいです。いろいろなお店が入っていますし、豪華な建物ですが面白みにはかけるかな
横に細長いのも移動に疲れます(けっこう中が分かりにくいので迷子になっている人もいた)
また、観光施設と日常のショッピング施設が混在し、
デパート---観光施設---ホテル---デパート という並びはやや使いにくい
平日、土日の両方見てみましたが結構人は入っています。平日は観光客が多い感じでした。
お店はデパートはサティとビヴィレですが、まあ普通のデパート(^^;;
中間には観光土産店、ラーメンなどの食事コーナー、たこ焼きやソフトクリームなどの軽食系、そして遊園地や映画館などがあります
この中でいいかなと思ったのは、軽食系。特にソフトクリームはいろんなお店が出店していて食べ比べしてみたい感じでいいかなと思いました。
現状では当初予想以上に来客があるが、顧客単価が低いようです。
この部分は駐車場の問題もあるんかなと感じます。もう少し、のんびりできる環境だと、財布の紐が緩むんじゃないかな?
不振の原因は何か(2000/12)
最近の新聞ではマイカル小樽の営業不振が伝えられています。
既に撤退したテナントがでている(名前忘れました)、テーマパークの撤退表明(西部警察)、小樽ビブレの不振による営業移管発表、ブランド物などの販売中心のヒルトンプラザ格安商品販売ののアウトレットモール化表明など。
原因はなんでしょうか。最近、マーケティングの仕事をしていますので、この点は非常に興味があります。

間接的な原因としては札幌市内などに大規模ショッピングモールができたこと。特にジャスコ系のイオンタウン平岡ができたことが大きいのではと思います。この1年、大店法の改正などがあり、駆け込みで大規模ショッピングセンターが建ったことで競争が激しくなったこと、これが不振の遠因ではないかと思います。
しかし、これは本質的な問題では無いと思います。

原因は駅前?
最大の原因は「駅前」にあるからだと考えます。
通常、このような郊外型大規模ショッピングセンターでは駐車場無料が基本です。特に土地の余裕のある北海道ではそうでしょう。駐車場が有料の場合は、来客者の行動は制約されます。来場目的のものだけを利用するにとどまる。映画、ショー、特定の商品。一方、駐車場が無料であれば、暇なとき1日くつろぐことができます。ゆとりもできます。何か目的を持ってきたとしても、それ以外にちょっと何か見る。つまり、積極的目的を持たないという行動ができる。これってけっこう大きいことだと思います。何もしなくても、1日入ればお腹は減ります。ちょっとレジャーしてみようって思うかも知れません。気がつかなかった何かを見つけて買ってしまうかも知れません。つまり、駐車場が無料ということは、実は人の行動様式や購買志向に大きな影響を与えていると思います。

駅前のジレンマ
では、駐車場を無料にすればよいのでは。おそらく、マイカル小樽はそれができないでしょう。それは駅前だからです。駅前で駐車場が無料、近隣が住宅が多いとなれば、どうなるのかは自明です。このため、駅前の店舗は交通の便で有利というように見えますが、実は大きなハンディなのかも知れません。
比較として同じ系列のマイカル桑名(三重県)で比較してみます。マイカル桑名はちょっと交通の便の悪い郊外にあり、たいていは車での来客となります。駐車場は無料。交通の便ではマイカル小樽よりハンディを抱えていますが、週末はいつも混んでいました。雨の日でいくところの無いときなど重宝します。何か映画をやっていれば、映画を見てついでに食事をして、それでも暇なら店内をウィンドウショッピング。という感じです。目的が無く利用することもあります。時間を気にする必要はない。駐車場無料というのが、実はかなり効いていると思います。(イオンタウン平岡はまで行ってないのでなんともいえませんが、店舗構成のイメージと、駐車場無料であった場合は、おそらく成功するのではないかと思います→今度、落ち着いたら見てきます)
そうかんがえると本来有利を思われる「駅前」は十分な効果をだしていないばかりか、逆効果になっている可能性もあると思います。(実際に、隣接駅を利用する地域住民の人数、そこから取り込む顧客数をどの程度と見ているのでしょうか、小樽の人口等から考えるとそんなに多くないような気がします)

何でもあるけど・・・
このほかにも、以前から述べているようにマイカル小樽には、「明確なコンセプトやターゲットが無い」印象であることもマイナスポイントではないかと思います。観光客と地元客を同時に追ってしまったこと(店舗レイアウトも地元客には不便だと思います)で、コンセプトがあいまいになったこと、明確なターゲットを示さず、また明確な特徴が無いことから、他の店舗や業態に顧客を奪われているとみたほうが良いのかも知れません。
おそらく札幌圏の顧客もターゲットにしていると思いますが、ショッピングであれば、札幌市内にもたくさんあります。今なら、イオンタウン平岡など大規模SCもありますし、家電ならヨドバシカメラもある。日用品ならホーマック、ブランドやファッションなら三越やパルコなど。あえて札幌からマイカル小樽まで足を運ぶ理由はあるのでしょうか。明確なターゲットと、そのターゲットの客層を魅了するだけの個性や特徴。これが無い気がします。
そもそもデパートが苦戦しているのも、「何でもあるけど、何にも個性が無い」が原因とも思いますが、それに近い状態なのかもしれません。最初にマイカル小樽ができたときはすごいものができたなと思いましたが(実際にすごく立派な建物です)、実際に利用してみて、何か魅力を感じないんですよね。
ヒルトン小樽(ヒルトンホテル)はよかった(01/09)
昨年ヒルトンホテルに泊まったことがあります。ヒルトンホテルは全国的には高級なホテルの部類に入りますが、ヒルトン小樽は料金がそれらと比べると比較的安めに設定されています。
しかし、ヒルトン系だけあって、ホテルの雰囲気、従業員の接客の良さなどはかなりしっかりしています。北海道の観光地にある大きなホテルなどと比べるみると格段に良いですね。(某道内チェーンの観光ホテルは酷かったからなあ)
ただ、ヒルトンがあえてマイカル小樽の中にある必要は無いかなあとも思います。ホテルの両側の建物がデパートというのもなんか雰囲気にそぐわないと思いました。(01/09)
結局破綻(01/09)
マイカル小樽を運営する小樽ベイシティ開発が経営破たんしたそうです。マイカル小樽はオープン後、不振でいろいろ建て直しをしていたようですが、やはりダメだったみたい。
実際に何度か見にいきましたが、やはり魅力が全然無い。昨年利用したときは土日だったのに中のお店も閑散としている感じでした。
新聞記事などを見ると入場者数こそ、年間1000万人を超え、そこそこの入りのようですが売上が目標の8割程度(350億円)までしかならなかった事が破綻の原因のひとつのようです。
売上伸び悩みの大きな理由は、「個性の無さ」「財布の紐を緩ませる仕組みづくりの無さ」じゃないかと思います。
建物こそ立派ですが、全然個性とか無いですね。初めて行ったときは「わあ、すげ〜」と思いましたが、1時間も見て、飽きちゃいましたし。2回目以降行きたいって思わなかったです。
それと、マイカル小樽って、集客ターゲットをどこにおいていたんでしょうかね。ホテルもある、デパートもある。でも全然、顧客ターゲットがリンクしてない。これでは、単に1箇所にいろんなものがあるだけで、それぞれが複合して利用される相乗効果も期待できないと思います。
何でもでかいものさえ作ればいいという、かつての巨艦巨砲思想みたいなものだったのかな。
どうしたらマイカル小樽を利用したくなるか?(01/09)
じゃあ、どうすればマイカル小樽を利用したくなるのか?
マーケティングの仕事をしてる(といっても全然業種が違いますが)立場で考えると、
○観光向けか、地元向けかのどちらかに絞る
○駐車場を無料にする(ないし、ほとんど無料に近い仕組みにする)
○観光向けであれば、
  デパート一棟分(サティかビブレ)を全部観光施設にする
  観光向けであればマイカル小樽を小樽観光の起点となるような仕組みを作る
  (小樽中心部までの循環無料バスなど)
○地元向けであれば、
  デパート一棟分(サティかビブレ)を丸ごと、無料のレジャー施設や
  貸ホールなどに開放し、市民の憩いの場、交流の場にする
なんてのが考えられますね。ただ、根本な解決にはならないとも思いますが・・・
う〜ん、場所的に見ても小樽の中心部や観光地からも外れてるし、人口を見ても札幌圏からの来客がないと成り立たない気もするのに、あの場所で札幌から人が押し寄せるなんて思えないので、やっぱりあんなでかい施設をなんで、あそこに作ったんだろうって思います。
北海道って、なんかでかい箱モノばかり作って失敗してるって印象があります。(北海道に限らないかもしれないけど)
ここだけじゃなく、洞爺湖のエイペックスホテル(だったかな;現在はウィンザーホテル)、トマムのアルファリゾート(立派なホテルだったようです)、札幌テルメ(ホテル)、カナディアンワールド(テーマパーク)・・・など。
なぜ、それがそこに必要なのかという検証ってちゃんとやってるのかな?
<補足>2001/12
その後、マイカル小樽の破綻の記事やテレビ番組の特集をやっています。やはり巨艦巨砲主義的な要素が強かったみたいです。
かつて、そごうが破綻したのも巨艦巨砲主義と無理な出店が一因だったようです(詳しく書かれた本を読みました)し、ハードウェア依存がもたらした結果なのかもしれませんね。
<補足>2002/3
テナントのひとつ、小樽ビブレ{マイカル直営店}が撤退となるそうですが、そこに小樽短期大学が入居するようです。学生にはいい場所かも知れませんね。マイカル小樽再生には「人が集まる仕組みづくり」そして「人がそこに長時間過ごせる仕組みづくり」が欠かせないでしょうね。(2002/3)